LOVE PHANTOM~prologue:チェギョン編
私はここにいる。
この地に降り立ってから20年間ずっと。
ここはイギリスの片田舎。
けれど、海が近く、夕日や朝日がとてもキレイな場所。
おそらく彼が一度は訪れてみたいと思った場所だったのだろう。
その地を私に秘密裏に宛がってくれた。
年に3回差出人不明の薔薇が届く。
あなたが贈ってくれていることは知ってる。
何もかもあなたはきっと知っているのでしょうね。
でも、何も言わずに黙って見守っている。
あなたに会いたいと思う。
あなたは幸せ?
私は・・・。
だけど、あなたから二つの大事な贈り物をもらってる。
アルフレッドと、そして、あの子と。
私はこれで満足するべきなのかもしれない。
けれど、それでもあの声が忘れられない。
――――愛している――――
そう囁いたあなたの声が。
待っていろとも言われなかった。
待っているとも言わなかった。
けれど、どこかで期待してる。
あなたに会えることを。
それがもしかしたら冥界でなのか、2500万年後なのかわからないけど。
愛している。
今でもずっと。
心はあなたにあげたまま・・・。