葵香の勝手 宮小説の世界

yahooブログ「Today is the another day」からこちらに移行しました。

LOVE PHANTOM episode 17

「残念ながらシンたちが本当に心を通わせて過ごした期間はここには一切映ってはいないんだ。
 きっとこの場所ではその姿が一杯あったんだろうけどね・・・。」

ファンは見終わったすべての人に言うようにそっと呟いた。

そのほかの映像はガンヒョンたちと騒いでいる姿、一心不乱に絵を描いている姿など。

その他の日常が収められていた。

チェヨンは映像を見てますます会いたくなった。

父が今でも愛してやまない彼女。

その彼女は今どんな生活をし、どう思っているのか。

直接訪ねて行って聞いてみたかった。

そして一番重要なことを聞いてみたかった。



父を今でも愛しているのか―――――



と。

報告書によればいまだに独身を貫き、浮いた話も一切ない。

「僕は絶対に彼女に会いに行きます。」

チェヨンははっきりと家族と父の友人たちの前で宣言した。

「お祖父様、お願いします。行かせて下さい。どれだけ反対しようとも僕は行きます!!
 第一すべての元凶はお祖父様、あなたから始まっていることです。
 父が以前言ってました。『悪縁は悪縁を呼ぶ。終わらせたつもりがまだ終わっていなかったのか』
 そう呟いてました。もう僕の代ですべて終わらせたいのです。
 あなたがやったことで父は最愛の人を奪われました。
 あなただったらどうしますか?人を愛したことがあなたにもあるでしょう?
 このまま僕をまだ引き留めようとすれば確実に僕は皇室を廃止します。
 失うものがあまりにも大きすぎる。僕はそんなの嫌です。
 それでもいいのならどうぞ。引き留めるなり何なりご自由に。」

その声は誰にも邪魔はさせないという強い意志を持った声だった。

「・・・そう思うならもう行け。私はもう反対はせん。
 お前の言うとおり動いてみるが、吉と出るか凶と出るかはわからんぞ!!」

ヒョンはそう言い放ったが、ヘミョンがつかさずに言葉を挟んだ。

チェヨン、行きなさい。大丈夫。私がお父さんをせっつかせるから!!
 安心してチェギョンを連れて帰ってね。」

笑って手を振った。

「では、準備をして行ってまいります。お祖母様、父をよろしくお願いします。」

チェヨンはそう言って家族に深々と礼をした。

ミンは久々のシンの動いている姿を見れたのか、涙を流し、今にも倒れそうだったが、どうにか笑って、
何度も何度も頷いた。

チェヨン、ほれ。チケットだ。」

ギョンは今日の最終便のチケットを用意していた。

チェヨンはありがとうございますと告げて受け取った。

「俺が一緒に行くよ。チェギョンを連れていったのも俺だし。
 そろそろ奥方にも会いたいし。確かイギリスにいるはずだ。」

インはにやっと笑った。

インの奥さんは、今や世界的に有名になったプリマドンナ、ミン・ヒョリンである。

正式には籍はいれていないがこの二人が内縁関係にあるのは有名なこと。

チェヨンも笑った。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

と丁寧にお礼を述べた。


チェヨンは早々に行く準備をし、少人数の覆面した翊衛士と共に、その晩、一般乗客に混じってインとともにイギリスへ向かった。