葵香の勝手 宮小説の世界

yahooブログ「Today is the another day」からこちらに移行しました。

Dear my baby, thank you for coming back with us.

まどろんだ日の朝、シンとチェギョンはまだオネムの中にいた。

そこへ突然目覚まし時計が6時を知らせにけたたましくなった。

その音にびっくりした二人は、飛び起きた。

確実に寝坊である。

飛び起きたのは良かったものの、チェギョンは下半身に痛みを感じていた。

「ん、……イタッ…。」

その声に、シンはやりすぎたかと思ったが、顔はニヤけていた。

「やりすぎたか?」

それでも声をかけずにいることはよろしくないと判断した。

「すんごく痛い。どれだけやったら気が済むのよ。ほら見て。
 目にクマができたじゃない?
 子供たちにどうやって挨拶すればいいのよ!!。」

にんまりとする笑顔のシンに対し、その顔をみたチェギョンは怒りを露わにした。

「パパとママががんばりましたとでも言えば?
 別に隠し事をする必要はない。
 両親仲が良いことはいいことだろう?」

そう言うと、「シャワーに行くぞ」とスタスタと歩いていく。

待ってとばかりに後を追おうとするチェギョンは、ふとお腹に手を当てた。

そのまましばらく当てたままにした。

それは2.3秒のことだったが。

――――ねえ、戻ってきてくれたの?――――

予感がした。

母としての勘というのだろうか?

思わず微笑んでいた。

いつもならパタパタと自分の後を追ってくる音が聞こえてこないシンは、振り返り、チェギョンのその姿にいぶかしげに見つめていた。

「チェギョン、行くぞ!!」

「シン君、戻ってきてくれたみたい。」

何か言った気がしたが、なんて言ったのかは聞き取れなかった。

「はあ!なんか言ったか?」

眉間にしわを寄せて言ってみたが、チェギョンは笑顔で

「うんん。何にも。うれしいって言ったの。」

と言葉を濁した。

シンは「わけが分からないヤツ。」と苦笑してまた歩いて行った。

チェギョンはいつも以上の笑顔になり、シンの後を追った。



ねえ、パパもママもみ~んな、あなたのこと待ってたんだ

ありがとう

戻ってきてくれて

ありがとう

今度こそ一緒に頑張ろうね

ありがとう

あたしたちのもとに戻ってきてくれて―――――――



その3ヶ月後、チェギョンの予感は的中する。

今回はシンに先を越されることなく、自分で医局へ行き、確認をとった。

結果が出たあと、そのままシンの執務室へ向かった。

「シンく~ん。2月14日だって。赤ちゃん生まれるよ~!!」

願いが、思いが通じた日だった。


fin.

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「Come back with us~」の翌朝の出来事。

今回はこんな感じにしてみました。