自転車に乗ってどこまでも
8話の挿話。
こんなんだったかなと思って書いてみました。
********************************
「シン君、シン君シン君シン君シン君シン君、しんく~ん」
帰ってきた早々名前を呼ばれるシン。
「・・・ウルサ~イ!かえって早々連呼するな。一回呼べばわかる。」
彼女が何を喜んでいるのかはわかっているが、こうも呼ばれるとうるさくてたまらない。
シンはうなだれるしかなかった。
「ハ~イ」
神妙に返事をするチェギョン。
怒りに任せて怒りすぎたかと思うが、こいつはこう言わないと言うことを聞きやしないと思いっているシンだったので、後悔はしない。
「何だ?」
後悔はしないが少しかわいそうになったシン。
少し咳払いをして、少しやさしいトーンで、それで且つぶっきら棒に聞いてみる。
「この自転車、もしかして・・・?」
彼女は案の定子犬が飼い主を見つめているように上目目線で聞いてくる。
無意識だから仕方がないが、この目に弱いシンだった。
「ああ、お前の実家にあったヤツだ。乗りたいといっていただろう?」
つくづく彼女に弱いもんだと思うシンだったが、そんなことは噯にも出さない。
「ヤッター!!取り寄せてくれたの?本当にホントに?」
彼女は嬉しさのあまり、シンに飛びついた。
周りのものはあまりにもその唐突な行動に驚きはしたが、嬉しそうにその光景を見守った。
「ああ。」
周りのものはシンのその声はにまんざらでもないことを見抜いていた。。
「シン君、ありがとう!!」
自分に抱きついてぴょこぴょこ飛び跳ねるチェギョン。
思わず顔の筋肉が歪みそうになるのだが、それを抑えてるのに必死でいつの間にやら彼女は離れていた。
「チェギョン。でもお前・・・。」
ゴッホンと一つ咳をして、目の前にいるであろう彼女に言おうとしたが、彼女の姿はどこにもなかった。
一体どこに行ったんだ?
あいつは宇宙人か、エスパーか?
と思ったのは言うまでもない。
「あいつはどこに行った?」
いつもの皇太子の顔に戻し、横にいるコン内官に尋ねた。
「はい。自転車に乗ってどこかにいかれました。」
シンはもう何も言えなかった。
絶句・・・これが妥当だ。
「・・・・・・・・。チェ尚官、簡単に乗るなと伝えてくれ。俺の注意事項は聞こうとしないんだ。」
もう一回うなだれて、チェギョンの教育係であるチェ尚官にそう言った。
これで少しは違うだろうと思った。
「かしこまりました。殿下。」
彼女はそう言ってチェギョン捜索に二人の女官と共に出て行った。
「着替えてきますので、その後今日の日程を話してください。」
シンはコン内官にそう言うと自分の自室へと入って行った。
fin.
こんなんだったかなと思って書いてみました。
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「シン君、シン君シン君シン君シン君シン君、しんく~ん」
帰ってきた早々名前を呼ばれるシン。
「・・・ウルサ~イ!かえって早々連呼するな。一回呼べばわかる。」
彼女が何を喜んでいるのかはわかっているが、こうも呼ばれるとうるさくてたまらない。
シンはうなだれるしかなかった。
「ハ~イ」
神妙に返事をするチェギョン。
怒りに任せて怒りすぎたかと思うが、こいつはこう言わないと言うことを聞きやしないと思いっているシンだったので、後悔はしない。
「何だ?」
後悔はしないが少しかわいそうになったシン。
少し咳払いをして、少しやさしいトーンで、それで且つぶっきら棒に聞いてみる。
「この自転車、もしかして・・・?」
彼女は案の定子犬が飼い主を見つめているように上目目線で聞いてくる。
無意識だから仕方がないが、この目に弱いシンだった。
「ああ、お前の実家にあったヤツだ。乗りたいといっていただろう?」
つくづく彼女に弱いもんだと思うシンだったが、そんなことは噯にも出さない。
「ヤッター!!取り寄せてくれたの?本当にホントに?」
彼女は嬉しさのあまり、シンに飛びついた。
周りのものはあまりにもその唐突な行動に驚きはしたが、嬉しそうにその光景を見守った。
「ああ。」
周りのものはシンのその声はにまんざらでもないことを見抜いていた。。
「シン君、ありがとう!!」
自分に抱きついてぴょこぴょこ飛び跳ねるチェギョン。
思わず顔の筋肉が歪みそうになるのだが、それを抑えてるのに必死でいつの間にやら彼女は離れていた。
「チェギョン。でもお前・・・。」
ゴッホンと一つ咳をして、目の前にいるであろう彼女に言おうとしたが、彼女の姿はどこにもなかった。
一体どこに行ったんだ?
あいつは宇宙人か、エスパーか?
と思ったのは言うまでもない。
「あいつはどこに行った?」
いつもの皇太子の顔に戻し、横にいるコン内官に尋ねた。
「はい。自転車に乗ってどこかにいかれました。」
シンはもう何も言えなかった。
絶句・・・これが妥当だ。
「・・・・・・・・。チェ尚官、簡単に乗るなと伝えてくれ。俺の注意事項は聞こうとしないんだ。」
もう一回うなだれて、チェギョンの教育係であるチェ尚官にそう言った。
これで少しは違うだろうと思った。
「かしこまりました。殿下。」
彼女はそう言ってチェギョン捜索に二人の女官と共に出て行った。
「着替えてきますので、その後今日の日程を話してください。」
シンはコン内官にそう言うと自分の自室へと入って行った。
fin.