葵香の勝手 宮小説の世界

yahooブログ「Today is the another day」からこちらに移行しました。

戦争のない時代はいつ訪れるのか・・・

夜、執務を終えて、寝室へと足を踏み込むと、いつも寝ているチェギョンが珍しくテレビを見ながら横になっていた。

そして、なぜか涙を流して。

シンが入ってくるのがわかると、そっと小さな声で

「お帰り」と言った。

そして目線はすぐにテレビに・・・。

何を見ているのかとチェギョンを抱きしめて見てみると、それは爆撃を告げるニュース報道だった。

学校に爆弾が打ち込まれたというニュース。

「ねえシン君、どうしてこんなこと起こるの?ねえ、どうして?」

シンは何も言わず、無言でそっと抱き締め、チェギョンの肩に唇を落とした。

そして顔をうずめた。

何も言い返せなかった。

何もできない自分たち。

その子たちにも幸せになる権利はあった。

数年後に自分たちのように恋に落ちることも、誰かを愛することも、抱きしめることも・・・。

そんなことはもう叶わない。

ただただそのニュースを見て、心を痛めるしか・・・。

「チェギョン・・・。」

ただそう呟いた。

するとチェギョンは顔をあげて、こちらを振り向いた。

ただ見つめ、呟いた。

「元気な子供を産んでくれ・・・。」

と、一言だけ。

そしてまた抱きしめた。

チェギョンはシンの胸の中で無言でうなずいた

そして、二人ともきつく抱きしめあった。






次に生まれる時には、どうか幸せになって

そして、たくさん人生を味わって

楽しいことも、もちろんつらいこともだくさんあるけど、

人生は楽しいものだって、捨てたものじゃないって感じて

どうか神様、子供たちに祝福を

あなたの御手のご加護を彼らに・・・

そして、どうかこのお腹の子にも祝福あれと・・・





Fin.


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あのニュースをみて、「なぜ?」としか思いませんでした。

なぜ、国連が建てた学校に爆弾を発射できるのか?

なぜ、そうまでして戦うのか?

悲しくて、悲しくて、ただただ見て嘆くしかできない私たち。

この場を借りて、数多くの未来があった子供たちに、冥福をお祈りします。

どうか次に生まれる時には戦争のない時代に生まれ、どうか人生を楽しんでください。